早稲田大学 後藤春彦研究室
早稲田大学創造理工学部

都市計画系 後藤春彦研究室

〒169-8555 東京都新宿区大久保3-4-1-55N-7F-09A tel / 03(5286) 3289  fax / 03(3208) 7288 

卒論生募集にあたって


−「直感」を信じろ−

 3年生のみなさん、研究室の選択に際して、いろいろ迷いが生じていることでしょう。毎年この時期に、私がお話しするのは「『直感』を信じろ」ということです。
 これまで、200人以上の卒論生と接してきましたが、研究室の選択に悩み続けていた学生ほど、研究室所属決定後もこの選択は正しかったのか自問自答を繰り返す傾向がつよく、結局、卒論の進捗も芳しいものとはならず、悪循環に陥りがちです。
 『直感』とは、あてずっぽうの『勘』とは異なり、みなさんがこれまで生きてきた経験に基づく価値判断だと思います。時間を限って悩み、あとは自分自身の『直感』を信じて、研究室を決めることが良いと思います。

 

−「時間」をマネージメントせよ−

 天才は指導する必要がないので放っておきます。一方、秀才のみなさんに要望することは時間管理です。時間をきちんとマネージメントできる人は学術論文をまとめることも、その先の就職活動も上手にこなしていきます。「要領が良い」という表現はネガティブな意味に使われることもありますが、時間をマネージメントできる要領の良い人が、まちづくりや都市デザインの分野では求められています。
 他者とコミュニケーションする上で、時間管理は信頼基盤を形成するものです。そして、今後のまちづくりや都市デザイン分野はプロセスデザインが重要で、「時間」のマネージャーの誕生を希求しています。その意味でも、早く配属希望研究室を決定する人を優遇します。

 

−「ふたつの空間」のデザインをめざせ−

 ふたつの空間とは、「物理的な空間」と「社会的な空間」です。かつては、このふたつの空間は不可分なものだったと思われますが、最近では、「社会的な空間」が希薄なものになると同時に、IT技術やモビリティの発達によって地球規模にまで拡大しつつあり、両者が整合しなくなってきています。このことはコロナ禍で明白になりました。
 この乖離しつつあるふたつの空間をつなぎとめる手がかりが「景観」だと考えています。「景観設計」の講義において「景観=風景+地域」と、繰り返し話しましたが、言い換えるならば、景観とは「物理的な空間」と「社会的な空間」の眺めの総体です。 

 

: .