早稲田大学創造理工学部

都市計画系 後藤春彦研究室

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共同研究
2010年度の共同研究

■松代プロジェクト

・対象地の概要
新潟県十日町市旧松代町の山平地区は7つの集落からなる、山あいの緑豊かな稲作地域です。日本有数の豪雪地帯でもあり、冬にはしばしば2-3mもの積雪があります。山肌一面に広がる棚田がとても美しく、その景観は多くの人々に親しまれています。しかし、近年では高齢化と担い手不足によって耕作放棄地が発生し、美しい棚田景観も変化しつつあります。一方で、2000年からは「大地の芸術祭」が行われるなど、多くの観光客が訪れている地域でもあります。

・プロジェクトの概要
後藤研究室ではGIS(地理情報システム)を用いた共同研究の一環として、松代を対象としたプロジェクトを行っています。現在、個人的な事情により発生した耕作放棄地は虫食い状に広がっており、地域の将来を考慮して戦略的に耕作しているとは言い難い状況です。
そこで、今後も耕作に適した農地が適切に耕作されていくために、耕作放棄地と農道や農機具倉庫といった農業インフラの維持管理の現状の調査から、将来の耕作について提案していきます。

■片浦プロジェクト
・オーラル・ヒストリー調査から始まるまちづくり
本プロジェクトは神奈川県小田原市の中でも人口流出の激しい片浦地区を対象としている。対象地では、今年度より地区内唯一の中学校が閉校してしまい、独自の生活や気風の継承が危ぶまれている。そうした地域に対して後藤研では、以前より取り組んでいたオーラル・ヒストリー調査を実行した。

・「生活」に焦点をあてたオーラル・ヒストリー調査
オーラル・ヒストリーとはその名の通り、口語りの歴史である。これは歴史学などの分野において主に行われる手法であり、普段の歴史では記録されづらい「あたりまえ」な日常の様子であったり、歴史的出来事の裏話であったりを記録するための手法である。
後藤研ではこの手法をまちづくりに活用し、地域内での「あたりまえ」である生活の様子を保存し、現代に活かす事で、その地域らしいまちづくりを模索するという活動を行っている。

・研究者として、学生として
こうした活動は、当然地元住民達のためにならなければならないが、それ以外にプロジェクトの依頼主である行政、そして後藤研自身の成果にもしなければいけないのが難しい所である。住民達との対話は非常に面白いが、彼らの説得力は強く、ともすると自分の立場を見失いがちである。住民のためだけに身をこなすのではなく、いち研究員として日本のまちづくり手法の進歩にも貢献する、受託側として依頼を遂行する。そうした複数の視点を持ちながら活動は刺激的・魅力的である。